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乳酸桿菌ってどんな菌?‐次世代注目の菌たち2‐​

グループC】新たなプロバイオティクス的機能が注目される菌グループ(後半)​

前回に続き【グループC】の乳酸桿菌についてご紹介していきます。​
腸だけでなく、口腔や免疫、さらには精神面への働きも示唆されており、従来の「整腸菌」という枠を超えた多面的な役割を担います。​
今回はその中でも、ラムノーサス・サリバリウス・ジョンソニーという3種類の菌の個性とこれからの可能性に迫ります。​

乳酸菌ラムノーサス(Lactobacillus rhamnosus)

研究論文数が最も多い事で有名な菌種です。酸や胆汁に強く、過酷な消化環境を生き抜いて腸に届く“生命力の強さ”が最大の特徴です。腸内で善玉菌として働き、悪玉菌の増殖を抑えながら、腸内フローラのバランスを保ちます。特に、整腸作用、アレルギー抑制、免疫機能の活性化など多面的な効果が報告されており、世界的にプロバイオティクスとして研究・応用が進められています。近年では、ストレス緩和やメンタルヘルスとの関係にも注目が集まっており、「心と腸はつながっている」という考えを支える存在としても知られています。まさに、体の内側から調和をもたらす“タフでしなやかな乳酸菌”です。​

乳酸菌サリバリウス(Lactobacillus salivarius)

名前の由来は「saliva(唾液)」。その名の通り、主に口腔内に棲みつく乳酸菌です。虫歯や歯周病の原因菌であるミュータンス菌などの活動を抑え、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物を減らすことで、清潔で健康的な口内環境を保ちます。そのため、タブレットやガム、のど飴などの口腔ケア製品にも応用されています。また、口だけでなく腸にも届き、免疫系を刺激して自然治癒力を高める働きも報告されています。口腔から腸まで広範囲に働きかけるその姿は、“体の入り口から健康を守る門番”のよう。外から侵入する菌やウイルスに対して、最初の防波堤となる頼もしい存在です。​

乳酸菌ジョンソニー(Lactobacillus johnsonii)

発見者であるJohnson博士の名を冠したこの菌は、母乳や乳児の腸内から多く見つかることでも知られています。母から子へと受け継がれる「絆の菌」とも呼ばれ、赤ちゃんの免疫形成や感染防御に重要な役割を果たしています。ジョンソニーは腸内で有害菌の増殖を抑制しながら、腸粘膜のバリア機能を強化し、病原体の侵入を防ぎます。さらに、ビタミンの生成や免疫細胞の活性化にも関与しており、乳幼児だけでなく大人にとっても心強い味方です。母性を象徴するような穏やかさと、守る力を併せ持っている注目の菌です。​


🌼乳酸菌はそれぞれに個性と得意分野を持ち、腸や口、免疫など多方面から健康を支えています。由来に秘められた名前の物語を知ることで、菌たちがどんな思いで私たちの体に寄り添っているのかが見えてきます。日々の暮らしに、小さな菌たちの力を上手に取り入れていきたいですね。​
次回からは、乳酸球菌についてご紹介していこうと思います。引き続きお楽しみに!​

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