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世界が注目するアッカーマンシア菌 20年の歴史

最近、ダイエットや健康のニュースで「アッカーマンシア菌(Akkermansia muciniphila)」という名前を耳にすることが増えていませんか?
この菌は乳酸菌やビフィズス菌のように昔から知られていたわけではなく、発見されてからまだ20年ほどしか経っていないんです。
今月はそんなアッカーマンシア菌の『歴史』について、研究の歩みを紐解きながらご紹介していきます。

アッカーマンシア菌(学名:Akkermansia muciniphila)は、2004年にオランダの研究者ムリエル・デリエンらによって発見されました。それまで腸内細菌といえば「ビフィズス菌」や「乳酸菌」のように、私たちが食べた食物繊維などをエサにして生きているものが定番でした。健康なヒトの腸内から分離されたこの菌は、「ムチン」という腸の粘膜成分を唯一の栄養源として生きるという、非常に特異な性質を持っていました。
最初は「腸のバリアを食べてしまうなんて、もしかして悪者?」と怪しまれそうな特徴ですが、研究者たちは「これほど腸の壁にベッタリ張り付いているなら、腸のバリア機能と密接に関わっているのでは?」と考え、研究の第一歩を踏み出しました。 その後の研究で、アッカーマンシアは健康な人の腸内に比較的高い割合で存在し、腸内環境のバランス維持に重要な役割を果たしていることが分かってきます。
具体的には、
・腸の粘膜層(バリア)のターンオーバーの促進
・他の善玉菌との良好な共生関係
・短鎖脂肪酸の産生への関与
といった、いわば“腸内の土台”をガッシリ支える働き者です。

研究が大きく進展したのは2010年代です。動物実験やヒトを対象にした研究が盛んに行われるようになると、世界中の研究者たちが驚くべきデータを発見しました。なんと、アッカーマンシア菌の量が多い人ほど、「肥満になりにくい」「インスリン感受性が高い(糖代謝が良い)」「体内の炎症が抑えられる」という傾向が次々と報告されたのです。
特に関心を集めたのが2013年の研究です。アッカーマンシアが腸の上皮細胞と直接メッセージをやり取りすることで、肥満の進行をグッと抑制する可能性が示されました。ここで初めて、世の中に「ヤセ菌」というキャッチーな概念が広がり、アッカーマンシアは腸活界で注目され始めたのです。

近年、アッカーマンシア菌は「次世代プロバイオティクス」の筆頭として世界中で応用研究が進んでいます。2004年の発見から約20年、その安全性評価も着実にクリアされてきました。
特に食に厳しい欧州では、中心的な研究株である「MucT株」が「ノベルフード(新規食品)」として承認。また、米国でも「WB-STR-0001株」や「AKK PROBIO株」といった優秀な菌株が、厳しい安全基準を満たす「GRAS」や「NDI」を取得するなど国際的に高く評価されています。
世界水準の科学的根拠に裏付けられたこれらの菌株の登場により、アッカーマンシア菌は私たちの食卓やサプリメントケースに届く実用化の段階へ、健康を左右する存在として、今まさに大きな進化を遂げています。

2004年の発見からわずか20年。アッカーマンシアは「正体不明の不思議な腸内細菌」から、「私たちの健康を左右する超・重要な存在」へと、驚異的なスピードで進化を遂げてきました。しかし、彼らの持つ可能性はまだ“途中段階”にすぎません。現在も世界中で最新研究が進行中であり、今後の展開次第では、医療や美容、さらには「毎日の健康管理のあり方」そのものをガラリと変えてしまうかもしれないのです。

「最新の腸活トレンドに乗り遅れたくない!」という方は、ぜひこの「アッカーマンシア」という名前を覚えておいてくださいね!
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参考文献・情報源
・ヤクルト中央研究所「アッカーマンシア ムシニフィラ」
・Akkermansia muciniphila(Wikipedia)
・Akkermansia属(Wikipedia)




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