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ビフィズス菌ってどんな菌?

私たちの腸内で活躍する微生物。​
その中でも、今回はビフィズス菌という菌に注目してみたいと思います。​

「ビフィズス菌」は、最初に発見されたビフィズス菌がY字の形状だったため、「分岐した」「二股になった」という意味のビフィッド(ラテン語)に由来しています。酸素の少ない大腸で活躍し、糖を分解して乳酸だけだなく酢酸も作るのが特徴です。​
ビフィズス菌といっても、その種類はさまざまです。現在、92種類のビフィズス菌が見つかっています。今回はその中から、代表的な5つのビフィズス菌をご紹介しながら、それぞれの特徴や働きについてお話ししていきます。

①「ビフィズス菌ビフィダム」​
“ビフィダム”はビフィズス菌と同じく「分岐した」「二股になった」という意味のビフィッド(ラテン語)に由来しており、V字やY字のような独特の形をしています。ビフィダムは、出生後すぐから高齢期まで、幅広い年代の腸内に優勢的に存在しています。最近の研究により、胃への負担をやわらげ、消化のサポートをすることがわかりサプリメントやヨーグルトなどに使用されています。

②「ビフィズス菌ラクティス」​
“ラクティス”という言葉はラテン語で「乳」を意味し、乳製品に含まれる乳糖を効率よく分解する能力を持っていることが特徴です。ラクティスは、ヨーグルトの中でも安定して生きているため、世界で広く利用されています。研究数も多く、便通の改善やお腹の不快感をやわらげる効果があるとして、機能性表示食品にも利用されています。​

③「ビフィズス菌ブレーベ」​
“ブレーベ”は「短い」という意味を持ち、その名のとおりビフィズス菌の中でも特に小さく短い形状をしています。ブレーベは、ドイツのロイター博士によって発見され、乳児の大腸に多く棲んでいることがわかっています。近年では、酢酸の産生による認知機能の維持や、腸のバリア機能の向上、BMIの改善にも関わる可能性があるとして注目されている菌です。​

「ビフィズス菌インファンティス」
“インファンティス”は、ラテン語で「乳児」を意味する言葉に由来しており、乳児の大腸に最も多く見られるビフィズス菌です。インファンティス菌は、母乳中のヒトミルクオリゴ糖を栄養源にできる性質があり、乳児期の消化や免疫機能をサポートすることが研究で明らかになっています。​
そのため、乳児用ミルクに広く活用されており、母乳育児に限らず、さまざまな育児の形を支える菌として注目されています。​

⑤「ビフィズス菌ロンガム」​
“ロンガム”は「長い」を意味し、長い棒状の形をしているのが特徴です。こちらもロイター博士によって発見された菌で、出生後すぐから高齢期まで、幅広い年代の腸内に優勢的に存在するという珍しい性質を持っています。便通の改善に加え、セロトニンの分泌を促し、認知機能の維持にも貢献すると言われており、さまざまな食品に利用されています。


ビフィズス菌は、私たちの腸内環境を整えてくれる頼もしい存在です。​
腸内に棲むビフィズス菌の種類や割合は、食事や年齢によって少しずつ変化することがわかっています。​

たとえば、授乳期の赤ちゃんの腸内では、母乳に含まれる「ヒトミルクオリゴ糖」を栄養源とするブレーベ菌インファンティス菌が多く見られます。そして、離乳食が始まり、乳製品や果物などを食べるようになる頃には、食事から摂取される乳糖や果糖といった栄養素を餌とするラクティス菌ロンガム菌ビフィダム菌などが徐々に腸内で増えていきます。​

このように、ひとくちに「ビフィズス菌」といっても、それぞれに異なる特徴や役割があります。日々の健康を支えるパートナーとして、ビフィズス菌のことを少しでも知っておくと、自分に合った食品選びや体調管理にも役立てられるかもしれませんね。​

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